発電量と日射量の関係
太陽光発電システムの発電量は、製品の型式、システム容量、設置条件に依存するほか、
地域、日射量、気温、設置角度など、さまざまな条件によって変化します。
発電量は、以下の式で計算されます。
太陽光発電システムの発電量計算式
発電量 = システム容量 × 日射量 × 損失係数(%) |
上記の式のように、最も影響をうけるのが日射量、それに関係する日照時間です。
日射量は多いほど発電量は増加し、日照時間も長い方が発電量が増加することになります。
年間の発電量推移と日射量・日照時間
上の月別発電量を示す図で年間の発電量推移をみると、
日照時間の多い8月や比較的涼しい5月の発電量が多い傾向がわかります。
日照時間が多い8月の発電量が多いのは当然ですが、5月が最も発電量が多くなっていることには
上の式の損失係数が関係しています。
損失係数は通常73〜75%で計算されますが、
太陽光モジュールには温度上昇による損失ロスがあり、温度が上昇すると発電量は減少します。
夏の炎天下では屋根が熱くなり、太陽光モジュールが60℃〜80℃に上昇するため、出力は更に減少します。
モジュール温度の上昇による 月別「損失」シミュレーション |
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12月 〜2月 | 10% |
3月 〜 5月 | 15% |
6月 〜 8月 | 20% |
9月 〜11月 | 15% |
月別の温度上昇ロスを表す右図をみると、
日照時間が長く・日差しが強く降り注ぐ夏季は発電量が多い
ように思えますが、損失係数が大きくなるため、必ずしも
発電量が一番多い時期とはならないことがわかります。
日本は春くらいの気候が最も発電に適した時期と言えます。
日本各地の年間予測発電量
(出所)長州産業ホームページ
日射量・日照時間が大きな影響を与え、発電量には地域差がありますが、
基本的には日本中どこでも十分な発電量を確保できます。
日本の年間日照時間の長さは、1位山梨県、2位高知県、3位群馬県、4位愛知県、5位埼玉県、
6位岐阜県、7位静岡県、8位宮崎県、9位三重県、10位香川県となっています。
年間予測発電量と日照時間を比べてみると、日照時間が少ないと思われる寒冷地でも、
太陽光発電にそれほど支障がない地域も多いことがわかります。
北海道は梅雨がないため、日照時間は東京とほとんど変わりません。
日差しの強いイメージの沖縄は、北海道と発電量が著しく異なるわけでもありません。
南国では多い日射量で発電量をかせげても、熱さで効率が落ちて減衰する分も多くなります。逆に、日照時間の少ない北国では、暑さによる発電ロスが少なくて高い効率を発揮することもあるようです。
若干の地域差はありますが、基本的には日本中どこでも十分な発電量を確保できることがわかります。