蓄電池の種類と特徴

現在、私たちの生活で身近に使われている蓄電池は
鉛蓄電池(なまりちくでんち)
リチウムイオン電池ニッケル・水素電池の3種類です。

鉛蓄電池(なまりちくでんち)

  • 電極に鉛を用い、正極(陽極板)に二酸化鉛、負極(陰極板)に海綿状の鉛、電解液として希硫酸を用いた電池。
  • 短時間で大電流放電させたり、長時間緩やかな放電を行っても比較的安定した性能を持つ一方、他の蓄電池に比べて大型で重く、希硫酸を使うために漏洩や破損時に危険が伴うとされます。
  • 自動車のバッテリーとして広く利用されているのをはじめ、産業用として商用電源のバックアップ電源、フォークリフト・ゴルフカート等の電動車用主電源小型飛行機用でも広く使われています。

リチウムイオン電池

  • 正極と負極の間を電解質中のリチウムイオンが移動し、電気伝導することで充電や放電を行う電池。
  • 現在実用化されている2次電池の中では最もエネルギー密度が高く、高い電圧が得られます。また、放電しきらずに充電すると充電容量が減ってしまう「メモリー効果」がほとんど無いため、継ぎ足し充電を頻繁に行う用途に適しています
  • ノートパソコンや携帯電話などのバッテリーとして広く利用されています。

ニッケル水素電池

  • 負極は水素吸蔵合金で、水素吸蔵合金が水素を正極と負極の間で吸蔵・放出する反応を電気化学的に用い、充電と放電を繰り返す電池。
  • 大電力・大電流時の放電特性に優れる、単純な回路で充放電が可能、安全性が確立されているという特徴があります。
  • 三洋電機のエネループに代表される乾電池の他、トヨタ・プリウスやホンダ・インサイトをはじめとする量産ハイブリッドカーすべてニッケル水素電池が採用されています。

太陽光発電との併用目的での蓄電池としては、リチウムイオン電池に注目が集まっています。
上述のように、単位面積当たりの蓄電能力が高くて寿命が長く、充電すると容量が減少するという弱点がないので、繰り返しの充電にも強い特性を備えているためです。


太陽光発電と蓄電池を併用する場合、蓄電池を分電盤と接続します(右図)。

太陽光モジュールで生じる「直流」の電気を、家庭内で利用するためパワーコンディショナーで「交流」に変換していますが、蓄電池に備えられる電気は「直流」です。
そのため、蓄電池にコンセントから電気を蓄えるには、「交流」を再度「直流」に戻さなければいけません。

この「直流」→「交流」→「直流」の2回の変換で電気が20%ほど失われてしまいますので、電気を効率よく蓄積するための仕組みが取り入れられる必要があります。

蓄電池への期待は増すばかりですが、蓄電池はまだ高価かつ性能面での改善の余地も大きいのが現状です。設置やメンテナンス費用も増大する懸念もあるため、技術動向や導入タイミングを慎重に見極める必要があります。


太陽光発電と蓄電池の併用とは?

現在の太陽光発電では、発電した電気を「蓄電」して後で使うことができません。
発電ができない日没の時間帯は、電気は電力会社から購入するしか方法がありません。

一方で、住宅向け蓄電池の新製品もメーカーから次々と登場しており、太陽光発電システムと蓄電池を一緒に導入し、蓄電池に電気を貯めて利用することを考えるご家庭も増えています。

太陽光発電と蓄電池の併用について、以下2つの利用パターンが考えられます。

  • (1)自家発電・自家消費型
    太陽光発電の日中の太陽光発電の余剰電力を売電せずに蓄電し、夜間の時間帯は蓄電池の電力を利用する

  • (2)売電併用型
    太陽光発電による余剰電力の売電しながら、蓄電池に深夜など電気料金が安い時間帯に蓄電して利用する。


(1)自家発電・自家消費は、電力会社からの買電費用を減らせますが、余剰電力の売電ができなくなるため、太陽光発電の費用対効果の面では厳しくなります。

(2)の売電併用型の場合、 シングル発電・ダブル発電の区別に注意が必要です。
ダブル発電とは、「太陽光発電と他の発電蓄電機器を組み合わせ、太陽光発電の余剰電力売電中に併用する」ことです。ダブル発電の場合、太陽光発電の余剰売電量の「押し上げ効果」があるとされ、売電価格が下がります。

ダブル発電で売電単価が6円も下がっても、売電量を増やした方が費用対効果が高くなるケースはまれなので、太陽光発電の余剰電力の売電中は、蓄電池は放電を停止するシングル発電機能の蓄電池が多くなっています。

蓄電池の補助金制度と主要メーカー

蓄電池の導入補助金制度(2015年度)

補助対象機器には、国の導入補助金があります。
(平成26年度補正予算「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業費補助金」)
機器毎に設定された「目標価格」と実際の「購入金額」の差額の2/3(個人住宅は上限100万円)が補助されます。加えて、お住まいの地域によっては、地方自治体の補助金もあるので、確認しましょう。


国補助金対象の蓄電池メーカー

経産省の外郭団体「環境共創イニシアチブ」のHPに、補助金対象のメーカー/対象が掲載されています。(2015年4月更新)

メーカー 蓄電
容量
タイプ 想定寿命 保証
東芝 4.4kWh
6.6kWh

シングル発電
ダブル発電
*商品で異なる

10,000回の充放電で、約90%の電池容量保持率

・機器保証10年(分電盤含む、リモコン2年)
・出力保証10年(容量60%)
・他社組み合わせ可

パナソニック 5.6kWh

シングル発電

*要確認

・機器保証10年

シャープ 4.4kWh
8.8kWh

シングル発電

約8,000回の充放電で、70%以上の電池容量保持率

・機器保証10年
・出力保証10年(容量60%)

NEC 7.8kWh

シングル発電

1日1サイクルとして約15

・機器保証15年
・他社組み合わせ可

デンソー 1.0kWh
4.1kWh
8.2kWh

シングル発電

*要確認 *要確認
エリーパワー 2.5kWh
6.2kWh

シングル発電

1日3回・10年間充放電(約12,000サイクル)を行っても、電池容量保持率80.1%

・システム3年保証、電池10年保証
・他社組み合わせ可

エヌエフ回路設計ブロック
(伊藤忠エネクス)
6.6kWh

シングル発電

10,000サイクル

・システム3年保証、電池10年保証
・出力保証10年(容量60%)

日立マクセル 1.2kWh

自家発電利用

1日1サイクルとして約10

・機器保証10年
・出力保証10年(容量50%)



他メーカー太陽光発電システムへの「後付け」

パワーコンディショナーの相性検査もあるため、メーカーのHPには記載がないケースもありますが、 原則として、他メーカーの太陽光発電システムへの蓄電池の「後付け」は可能です。太陽子発電システムのほか、HEMSシステムとの相性も考えられるため、蓄電池の導入を検討する際は、関連機器との相性を販売施工業者に必ず確認しましょう。



太陽光発電システムと蓄電池を併用するメリットと課題

蓄電池を併用するメリット・利点は、以下3点です。

  • @停電時にも電気を使うことができる
  • A太陽光発電した電気を蓄え、夜間も利用できる(自家発電・自家利用モードの場合)
  • B電気料金を抑えられる


一方で、併用のデメリット・課題3つあります。

  • @蓄電池の値段が高い
  • A蓄電池の寿命が長くない
  • B家庭の余剰電力売電価格が下がる(ダブル発電の場合)

@価格面については、少し前は蓄電池導入に数百万円と言われていましたが、現在は容量によりますが100万円前後の機器も登場し、補助金制度の利用も可能なため、以前よりも割安感は出てきています。

A蓄電池の寿命は、以前は通常2〜3年、長くて5年と言われていましたが、現在は8,000〜12,000回充放電しても、電池容量が劣化しない機器もが増えてきています。

B太陽光発電の余剰電力の売電価格は、平成29年度の固定価格買取制度では28/kWh(出力制御対応機器設置義務なし)ですが、蓄電池を併用し「ダブル発電」で利用する場合、売電価格は25/kWhに下がります。
経済的観点から見ると、現時点ではこの3の差は大きく、太陽光発電システムの費用効果が悪くなります。

電力会社から夜間に安い電気を購入して蓄電池にため、太陽光発電が「売電」している間は蓄電池は充放電を停止する「シングル発電」の利用は可能ですが、利用方法・利用手段が限定されるため、蓄電池を導入する費用対効果は慎重に判断が必要です。



蓄電池の実用性(現在と今後の発展性)

   

現状は、補助金を利用しても蓄電池の導入費用はまだ安いとはいえず、「ダブル発電」の場合は売電価格が下がり、「シングル発電」は利用シーン・利用時間が限られるという問題点があります。費用対効果の観点からは、蓄電池の併用は現時点ではオススメできません

今後の蓄電池の技術進歩(特に寿命の延長や価格の劇的な低下)、および今後の補助金や売電の政策方向性によっては、蓄電池と太陽光発電の併用の現実味が帯びてくるかもしれません。

日本のモデルとなったドイツでは、固定価格電力買取制度による太陽光発電システムの普及のフェーズを終え、まさに今、太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせた、自家発電・自家利用に注目が集まっています。

また、電気自動車の普及や太陽光発電の11年目以降の余剰電力の問題を考えると、蓄電池技術は今後社会のインフラになる大きな可能性を秘めています。
太陽光発電の導入後に、蓄電池を追加設置するのが近い将来に訪れるのかもしれません。

今後の蓄電池技術の動向から目が離せないですね。

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