太陽光発電システムの耐用年数
太陽光発電システムは、太陽光モジュールやパワーコンディショナーなど様々な装置で構成され、
各装置によって寿命や耐用年数は異なります。
一般的に
- 太陽光パネル : 20年〜30年
- パワーコンディショナー : 10年〜15年
と言われています。
太陽光モジュールとして多く使用されている結晶シリコン系は、
- シリコン結晶は(高価だが)非常に安定的な物質
- セルは耐候性に優れた封止材で保護されている
- モジュールは磨耗を伴う稼動部がなく、表面は強化ガラスで覆われている
等の理由から、故障しにくい・長寿命とされています。
反面、パワーコンディショナーは、電化製品と同様に機器の中を電気が流れて稼働するため、
太陽光モジュールと比較すると寿命が短いといわれています。
故障に関しては、少し前のデータですが、2009年に産業総合研究所(NEDO)が、NPO法人太陽光発電所ネットワークと協力し、国内に設置された住宅用太陽光発電システム257件の発電性能や保守履歴を調査した結果によると、
- 太陽光パネルを 設置10年以内に一部でも交換した事例は34件(13%)
- パワーコンディショナーは部品交換を含めて設置10年以内に43台交換(17%)
となっています。
調査対象になった機器には古いものでは1996年に設置されたものも含まれており、機器類は年々改良が加えられているため、現在の製品はそこまでトラブルは多くないと思われますが、参考になるデータです。
補助金給付の条件でもあるため、各メーカーは「製品機器10年保証」をつけており、保証期間内に太陽光パネルの出力が基準値以下に低下した場合に無料で交換に応じています。また東芝・シャープは有料サービスとなりますが、15年・20年の機器保証も提供を開始しています。
太陽光発電システムは工業製品ですので、製品や保証サービスが改善しても、故障の可能性も当然ゼロとはなりません。万が一の場合の故障の早期発見のため、毎月の発電量の記録を忘れないようにしましょう。
太陽光発電システムのメンテナンス
太陽光発電システムは、原則としてメンテナンスフリーの商品とされています。
無人自動運転のため、日常点検は基本的には不要ですが、長期間トラブルなく発電するためには、モニターを見て、最低限毎月の発電量を記録することが基本だと思います。
明らかに発電量が少ない日が続く場合は、故障の可能性もあるので、施工業者に判断を受けましょう。
点検対象 | 点検内容 |
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太陽電池アレイ |
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接続箱 |
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パワーコンディショナー |
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接地 |
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発電状況 |
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太陽光パネルの汚れは、落ち葉や粉じん、砂ぼこり、雪、火山灰、鳥のフンなども発電を妨げる要因になります。太陽光モジュールやアレイの汚れ具合は、場所によって一様でなく、周辺環境に大きく影響されます。
モジュールに敷居のようなものがあったり、傾斜角度が浅すぎる場合、汚れはたまりやすくなります。ただ、(油性の汚れは付着して取れないことがありますが)たいがいの汚れは雨で洗い流されるため、特殊な状況でなければ特に気にする必要はないと思われます。
配線の損傷に関しては、セルとセルをつなぐハンダの断線状態になると、セルが直列でつながる仕組みのため電流が流れにくくなります。ごく一部の接続不良でも、1つの系統が全部動かなくなることもあり、出力低下の原因となります。
メーカーや施工業者で有料・無料の定期点検を行ってくれるところもありますので、アフターサービスの有無・内容についてもしっかりと比較検討することをオススメします。