公的制度 研究開発・新技術

太陽光発電コスト、2020年に半減する目標を政府が掲示

政府は太陽光発電のコストを10年間で半減する目標を掲げる。1KWの出力で1時間、電気を作るコストを2020年に2010年の半分以下の14円に下げる。石油火力発電を下回る水準だ。太陽光パネルをより安く製造できる素材の実用化などの技術開発に政府予算を集中させ、再生可能エネルギーの普及を後押しする。

7月31日の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)でコスト半減への工程表を示し、太陽光パネルを低価格化する技術開発に加え、発送電の管理費を抑える遠隔監視や制御システムの開発を促す。

内閣官房の試算によると、2010年時点でメガソーラーが1KWの出力で1時間発電するコストは最低30円、住宅用太陽光発電は最低33円となっている。2020年に14円まで下げれば、2010年時点の石油火力(最低22円)を下回る水準になる。政府は2030年までに7円に下げる長期目標も設定する。

政府は太陽光発電の導入を促すため、固定価格買取制度を導入している。家庭や企業がつくった再生可能エネルギーを電力会社が固定価格で全量を買い取る仕組みで、現在の太陽光発電の買取価格は38円程度。新たな技術開発でコスト抑制に成功すれば買い取り価格が下がり、電力会社と、価格転嫁される企業や家計の負担は減る。

政府は2014年度予算から、各省庁の科学技術振興費をまとめて内閣府に計上し、500億円以上とみられている。総合科学技術会議が「国家プロジェクト」に選んだ10件程度の研究開発案件に、予算を割り振る。太陽光発電のほか、燃料電池の開発やセンサーを使ったインフラ点検技術の開発が選択肢に入る見通し。

(日本経済新聞)

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