世界全体で太陽光発電パネルの需要が増加している。
2012年、太陽光発電の導入量は対前年比35.0%増の約40GWに達した。
2007年に比べて約16倍と、わずか5年で急激に拡大している。
太陽光発電市場を引っ張ったのは欧州で、新規導入量の55%が欧州市場向けだった。
2012年の最大市場はドイツで新規導入量は7.6GW。全世界の約4分の1をドイツ向けが占めた。
次いで中国(5GW)、イタリア(3.4GW)、米国(3.3GW)が続く。
日本の導入量は推定値で2.2GWと示された。
一方で、欧州市場向けのシェアは2011年の70%から、2012年は55%にまで下がっている。
今後は、これまで市場をけん引してきた欧州にブレーキがかかり、
アジアと米州の市場が拡大する見通しである。
これまで太陽光発電市場の大きな割合を占めた欧州に代わり、
市場が拡大するのがアジアと米州である。
アジアは、中国、日本、インドの三大市場が伸びる。
日本は、2012年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、
太陽光パネルの設置が急激に増えているのは周知のとおり。
国内の太陽光発電パネルの出荷量は、2012年第4四半期に初めて1GWに達した。
住宅用が約半分、メガソーラーを含む発電事業用が全体の2割強となっている。
米国はRPS制度(電気事業者に対し再生可能エネルギーの導入比率を義務付けた制度)
が浸透し、メガソーラーの建設が多く、太陽光パネルの導入が急激に増える見通し。
欧州太陽光発電協会(EPIA)の予測では、政策が後押しした場合2013年に対前年比
31.4%増の4.6GW、その後も順調に増えて2016年に中国を抜いて世界最大市場になる。
また、再生可能エネルギーの内訳で比較すると、
太陽光は大規模な導入が続いているが、総導入量で水力、風力に次ぐ3番手に位置する。
一方で、新規導入量では勢いがあり、例えば、太陽光は欧州で新規導入された
再生可能エネルギーとして2年連続首位だった。
大量導入された太陽光発電は、欧州の電力事情に例にとると、
EPIAによれば、太陽光は欧州の総電力需要の2.6%をまかない、
ピーク需要の5.2%をカバーするに至っているという。
(ITmedia スマートジャパン)