太陽光発電システムの国産メーカーエクソルは、4月11日、太陽光パネル1枚から設置できる新発想の住宅用太陽光システム「ジャストコンパクト」の販売を開始する。
「ジャストコンパクト」は、太陽光モジュールを1枚から方位に関係なく設置が可能で、太陽光パネル3枚・約1kWのパッケージで予想実売価格39.8万円(税別)。
予算の都合で設置を断念していたユーザーや、屋根が狭くて設置できない狭小住宅を含め、全ての住宅への標準搭載を実現するとしている。
「ジャストコンパクト」は、エクソルが2月末に発表した「太陽光発電、全棟搭載実現プラン『ファイナライズ.』」の新たな提案モデル。約1kWの発電で一般的な家庭の日中の電力需要をほぼ賄うことが可能で、年間の電気購入量を約30%削減できるとのこと。余剰電力の売電も可能。
太陽光パネルに搭載してパネルごとに直流を交流に変換する「マイクロインバーター」を採用。従来の住宅太陽光向けの集中型のパワーコンディショナーは太陽光パネルを最低4枚設置しなければ電圧不足で起動できなかったが、マイクロインバーターは低電圧でも動作するため3枚以下の構成でも設置できる。
太陽光パネルごとにMPPT(最大電力点追従制御)を行いつつ、交流に変換するため、パネルへの影の影響が少なく屋根の方位に関係なく設置できる利点もあるとのこと。
マイクロインバーター搭載の太陽光パネルは、米国などでは普及が進んでいるものの、これまで一般的だった数kWの住宅太陽光システムでは、集中型パワーコンディショナーに比べて経済性に劣るため、国内採用例がなかった。
パッケージ化したパネル3枚程度の構成では、集中型パワーコンディショナーに比べて、導入費用面でも有利になるという。今回採用するマイクロインバーターは海外メーカー製で、現時点でJETの認証を未取得のため、売電のために系統連系する場合は、一般送配電事業者との個別連系協議が必要になる。(今後、エクソルでJET認証を取得する予定)
保障面では、システム20年無償保証が標準付帯し、太陽光パネル、マイクロインバーター、架台、金具が故障した場合の修理対応時の修理費用、交換対応時の代替品費用をエクソルが無償で20年間保証する。