HEMS スマートハウス

スマートハウス市場が好調、2020年度に1兆3000億円にまで成長予測

スマートハウス・HEMS

スマートハウスの売れ行きが好調。

スマートハウスとは、高効率な給湯器や太陽光発電システム、蓄電池やLED照明などの省エネ、
創エネ、蓄エネ設備を住宅に備え、住宅用エネルギー管理システム「HEMS」で連携させて
自動制御を行い、消費電力を「見える化」することで、従来よりも少ないエネルギー使用量で
最適化する住宅のこと。

東日本大震災以降、電力危機意識の高まりや災害対応機能に対する需要が増えたことを受け、
大手ハウスメーカーを中心に商品化が進んでいる。震災以前、スマートハウスの認知度は
41.1%程度だったが、震災以降は87.3%まで上昇。アベノミクス効果による不動産マーケットの
活況も追い風となり、2020年度には1兆3000億円近くにまで成長する予測が立てられている。

断熱や気密性能を高めてエアコンの使用頻度を低減したり、無駄なエネルギー消費を抑制する
ための、スマートハウスの肝がスマートハウス共通規格として用いられている「HEMS」だ。

「HEMS」は、KDDI、パナソニック、東京電力、日立製作所、三菱自動車、三菱電機、
シャープ、ダイキン工業、東芝、日本電気の10社が協力体制で開発したシステムで、HEMSを
使用することで、自宅にあるホームコントローラーから、スマートハウスの制御が可能となる。

従来の電力モニターと違うのは、情報がデータセンターですべて管理されていることだ。
パソコンやスマホを使って、家の中はもちろん、外出先からでも使用電力のチェックができる。

大手ハウスメーカーを中心に続々と新商品が登場し、スマートハウスは今後の省エネ住宅
のスタンダードになりつつある。政府も様々な補助金や減税などの優遇策でスマートハウスの
普及を支援している大手ハウスメーカーだけでなく、中小の工務店も参入しはじめており、
住宅業界の動きも加速している状況だ。

「T-SMART」というブランドのスマートハウスを展開するタマホームは、今年6月から更に事業
を拡大し、原則として、販売する新築住宅の全棟に標準仕様としてHEMS導入を明言している。
同社では「サービス・デリバリー・プラットフォーム(SDP)」というクラウドベースの情報基盤
を採用し、HEMSによる電力の見える化だけにとどまらず、双方向型のサービスを提供する
情報基盤として、今後、ヘルスケアや育児、趣味などの生活全般に関連する情報を提供する窓口
として活用する戦略を示唆している。
さらに、これまで同社で住宅を建てた顧客に対しても、HEMS後付けサービスを有料で提供
する予定で、今後3年間で新築3万棟、既築2万棟をスマートハウス化できると見込んでいる。

10年以上前から太陽光発電に取り組み、ソーラー住宅に関してギネス記録を保持している
セキスイハイムでは、グループ全体で10万棟以上の太陽光発電住宅の建設件数を誇る
実績と技術を、同社の展開するスマートハウス「スマートハイム」でも活用している。
太陽光で昼間に発電し、余った電力は電力会社に売電。太陽光発電を採用したスマートハイム
の入居者約8割が「光熱費ゼロ」を実現しているという。
さらに、割安な深夜電力契約を結べば、光熱費収支がプラスになることも難しいことではない。
家中の電力を「見える化」する専用ナビを備え、住まいの消費電力が金額で表示されることも、
節電に一役買っている。同社独自の蓄電システムで非常時でも電力供給が可能になっている
こともあり、震災以降、需要が伸び続けている。

スマートハウス、その中心となるHEMSの今後の動向に要注目である。
(財経新聞)

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