ソーラーフロンティアは、IBMコーポレーション、東京応化工業株式会社とのCZTS太陽電池に関する共同研究において、CZTS太陽電池セル(0.42cm²)でのエネルギー変換効率が12.6%に達したと発表した。これまでの世界記録は、今回同様の共同研究チームで達成した11.1%(2012年8月発表済)で、わずか一年で世界記録更新となった。
CZTS太陽電池は銅、亜鉛、スズ、硫黄、セレンを主成分としてつくられており、レアメタルを使用せず入手が容易かつ安価な原材料を用いている。CZTS太陽電池はコスト競争力に優れ、量産化にも適しているため、将来性のある技術とされている。今回の記録更新は、更なる変換効率の向上や実用化に向けた明るい材料といえる。
ソーラーフロンティアは、世界最大のCIS薄膜太陽電池メーカーで、研究所である厚木リサーチセンターでは、これまでにカドミウムを含まない薄膜太陽電池のセル(約0.5cm²)として世界記録となるエネルギー変換効率19.7%のほか、30cm角CIS薄膜太陽電池サブモジュールの開口部面積でエネルギー変換効率17.8%を達成している。ソーラーフロンティアは今後とも経済性と環境性に優れたCIS系技術の研究・開発を進めていくとともに、高出力品の量産化を目指して取り組んでいくとしている。