パナソニック 三菱電機 国内メーカー 太陽光発電市場

パワーコンディショナー国内大手各社、太陽光発電向けの生産能力増強

住宅向け太陽光発電用パワーコンディショナー国内大手が2013年度に相次いで増産に乗り出す。

田淵電機は総額8億円を投資して、国内とタイの工場で生産能力を現状比50%増強し、
月産能力を現状比50%増の3万台に高める。

田淵電機と住宅向けパワーコンディショナーで国内シェア首位を争うパナソニックは、
太陽光パネルの販売増に合わせて現状比25%以上の増産を検討する。
太陽光パネルは12年末にマレーシア工場の稼働で、年産能力が2013年度に
従来比50%増の90万キロワットに向上するため、パワーコンディショナーも拡販する。

オムロンは協力工場を活用しながら現状比40%の増産計画を立てる。
同社は熊本県の拠点でパワーコンディショナーを生産しているが、
国内の協力工場を中心に増産する方針。

三菱電機は2012年度にパワーコンディショナーの生産・販売が前年比50%増加し、
現在もフル生産が続く。2013年度も大量の受注残を抱え、2012年度を上回る販売を想定し
「設備投資は需要動向を見極めて判断する」。

国内の太陽光発電市場は急拡大しており、システムを構成する主要部材の
パワーコンディショナーでも旺盛な需要の取り込みが鮮明になっている。

太陽光発電市場は国の補助政策に左右されるため、数年後の市場縮小懸念も考慮し、
各社とも投資を極力抑え、生産効率化を優先する意向。
矢野経済研究所の調査によると、新エネルギー用パワーコンディショナー市場は
2012年度にメーカー出荷金額ベースで940億円(前年度比85.9%増)を見込み、
2013年度は同1567億円(同66.7%増)と急拡大を予想する。

また、OEM供給が主力の田淵電機が自社ブランドの育成に力を入れ、
太陽光パネルを手がけるパナソニックや三菱電機がOEM供給を拡大するなど
パワーコンディショナー大手で顧客のすみ分けが崩れてきている。

さらに、パナソニックは協業先の米パワーワン(カリフォルニア州)から
大型パワーコンディショナーを調達して国内展開する方針。
田淵電機は世界戦略製品としてメガソーラー向けに出力25kWのパワーコンディショナー
を今秋に国内投入するなど各社とも産業用パワコンへの侵食も進めており、
成長市場で守備範囲を広げながら競争が激化している。
(朝日新聞)

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